あなたま〜!(あなたの魂に安らぎあれ)
夏休み中に読んだ本、見たアニメ、プレイしたゲーム(今のところ)のメモ
(ネタバレが含まれる可能性があるので注意。シンがジェクトである程度のことは覚悟して欲しい)
音無響子がめんどくさいということだけを知っていて読んだが、思ったより響子が重い女で笑った。主人公の五代が大学生から社会人になるにつれ、今まで散々馬鹿騒ぎしてきたキャラクターたちはお約束で溢れたコメディ的な世界からそれぞれの現実へと帰って行く。行かないでくれ、もっとお前たちの馬鹿騒ぎを見せてくれ、あんなに一緒に遊んだじゃないか(ここで俺は自分が十分に作品に没入していることを知る)…。しかし三鷹は良家の娘と婚約し、七尾は同僚のプロポーズを受ける。最終話を読み終えた後、キャラクターは皆帰ってしまっていて、とり残されているのは俺だけになっている。俺は途方に暮れる。何が言いたいんだ?(俺は今酔っている)
面白いンゴねぇ…。言うことはない。
戦闘妖精雪風改、グッドラック、アンブロークンアロー、いま、集合的無意識を、あなたの魂に安らぎあれ、ぼくらは都市を愛していた、七胴落とし/神林長平(+神林長平論)
星新一以外のSFを読んだことがなく、SFに対してなんかキショいオタクが描いてる小難しいジャンルみたいな偏見を持っていたので(嘘だ)、神林長平を読んでかなり驚いた。神林長平作品においてSF的なガジェットはテーマを表現するための装置だ。彼のテーマは一貫して「自身の生み出した存在(言葉、機械、<わたし>etc.)に疎外される人間」で、『雪風』シリーズにおける戦闘機、『ぼくらは都市を愛していた』における都市など、SF読者でない俺から見れば突飛に見える設定はそのための舞台装置に過ぎない。物語として隠喩化される主題と結晶化された思想としてのキャラクター、この点で神林長平作品は完全に文学だ。このあと俺は神林長平のテーマの変遷について書こうとしたが、もっと突っ込んだ内容が『神林長平論』に書かれていたので止めた。
ヨルムンガンド(アニメ)
面白かったが、なぜ計画が発動される前の部分しか話にしなかったのか気になった。俺が最近SFを読んでいるからかもしれないが、どう考えても計画発動後の方が面白くないか???続きを書く予定があったが書けなかったのか?単純に作者がミリオタだったからなのか?不思議な気持ちになるアニメだった。
ジョジョの奇妙な冒険 第三部(アニメ)
面白いメンスねぇ…。言うことはない。
Summer Pockets Reflection Blue/Key
日常に倦み疲れた主人公が逃げ場を求め、夏休みの間離島の祖母の家に居候するところからゲームは始まる。豊かな自然、ゆったりと流れる時間、島でできたちょっと変な、だけど最高に楽しい仲間たち。島での夏休みを過ごし、少しだけ成長した主人公はまた日常に帰っていく…。物語はこのように進み、そして終わるはずだった。鴎ルートではそうはならない。久島鴎は十年ぶりに島に旅行に来た少女で、偶然出会った主人公は彼女の思い出探しを手伝うことになる。実は鴎は既に死んでいるのだが、それが明かされるのは主人公たちが宝を探し終え、自分が幽霊であることに気づいた彼女が突然消えた後だ。母親に話を聞き、事情を理解した主人公は、この時点でもう完全に久島鴎に囚われてしまっている、彼女の最後の願いを叶えるために奔走して夏休みを終え、鴎ルートは終了する。おそらく主人公はもう二度と日常に帰ることはできないだろう。久島鴎と過ごした一夏の思い出に囚われたまま一生を終えるはずだ。彼女は既に死んでいて、さらに悪いことに、主人公と久島鴎は極めてプラトニックな付き合いのままだった。死んでいた(「死んだ」ですらない)、少女との、一夏の、精神的な、愛。間違いなくこれが主人公の人生の頂点だ。この先はない。