Bouquet!

暇な大学生です

わらの猫

外科室を読み終えました。やっぱり古めかしい文章で読み進めるのに苦労しましたが、幻想的で綺麗な話でした。展開の非現実性につっこむのは野暮でしょうね、流石に。夫人の台詞「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」に対する高峰の「忘れません。」という台詞がとても好きです。ジッドの田園交響楽に出て来る「ほらね、泣かなかっただろう」「ええ、私が代わりに泣きますもの」というシーンが大好きなのですが、それに劣らず美しい場面でした。非常に短いながら研ぎ澄まされた作品で他の短編も気になるのですが、とにかく文章が古い!この短さで読み終わるのに苦労するようでは別作品を読みきるのはちょっと難しいかもしれませんね。ただ、泉鏡花の名前が現在まで伝わっている理由が分かりました。今度エネルギーが余りに余りまくっているときに夜行巡査でも読んでみようかなあ。

次は病短編集に手を出そうと思います。モームは例のへんな絵描きの話しか読んでいないのですが、この人書く病小説はどんなものなのか気になります。

いい時間になったのでそろそろ寝ます。最近は七尾旅人のエンゼルコールをよく聴くのですが、就寝前に聴くといい夢を見られそうな素敵なナンバーですよ。それでは!